なつめゆい 夏目結衣（24）

彼女が去り際に残した一筋の余韻。
香しく麗しい言葉の羅列は渦となり次第にうねりを増してゆく。

品性に満ちた面持ち。
反するように存在する艶やかな色は彼女を縁取る境界線を朧げに浮き上がらせる。

上質で芳醇な色香は世界中のどんなフレグランスよりも脳内へ浸透し、決して忘れることのない一瞬の火花が咲き乱れる。

内面から醸し出される"穏やかな母性"は、努力によって得られるものではなく、天性のものだと知らされたいつの日かの月夜。

刹那に抱いた恋心を表したような彼女の細身なシルエット。

胸元の優美な調べとウエストラインの曲線美。
散りばめられたダイヤのような輝きは、艶かしく豊満なヒップへの架け橋を作り、煌めきの太陽が目を覚ます。

少女のような幼さと淑女のような淑やかさ。

決して交わることのない二つの奇跡は彼女の瞳へと宿り、映るもの全てが躍動を始める。
パッチリとしたナチュラルな目元のライン、慕情。
スッと鼻筋の通った美麗な顔立ちを際立たせる、ジュエリーと耳元のアクセント。

頬を染めた彼女がうつ向き加減にこちらへ眼差しを向けた時、全ては始まる。